気づけば、私たちは“心の消耗戦国時代”に生きています。
仕事が終わっていないわけでもないのに、どこか疲れが抜けない。
休日に寝ても回復しない。
そして「なんとなくしんどい」が慢性化している──。
実はこれ、あなただけではありません。
厚労省の過労死白書によると、仕事が原因で精神疾患と認定された労災は初の1000人超え、申請数は過去最多。
長時間労働も減り、有休取得率も上がり、メンタル施策も増えているのに…
精神の消耗はむしろ加速している。
「いや、対策してるんじゃないの?」
そう思うかもしれませんが、問題は“働き方”ではなく“世界そのもの”の複雑化にあります。
1. なぜ、いまの仕事はこんなに疲れるのか? — 複雑性過多社会という現実

白書のデータから見えるものは、単純な“忙しさ”ではありません。
● 情報量の爆増
- メール
- Slack
- 会議
- AIツール
シンプルに言えば、「脳が休む暇がない」。
● 人間関係の複雑化
多様性・コンプラ・言い回しへの配慮──
一言発するだけで、昔より10倍気を使う時代。
● KPIの分散
「売上だけ追えばOK」なんて時代は終了。
顧客満足、ESG、登録者数、離職率…
“どれを大事にすべきか”の判断だけで疲れる。
● 変化が止まらない
組織再編、AI導入、DX、リスキリング…
“落ち着く時期”が永遠に来ない。
ポイントは、
これらが同時多発で襲ってくるということ。
結果として、
現代の疲労の正体は「意思決定のしすぎ」=認知疲労。
これ、40代に特に響きます。
責任が増え、家庭も抱え、組織では“中堅扱い”。
判断の数、明らかに20代より多いからです。
2. 罰ゲーム化した管理職 ─ 40代がもっとも消耗する理由

精神疾患の労災で最も多い職種は管理職。
上司から
部下から
顧客から
そして会社からも
「どうする?」
「どうなってる?」
「次の手は?」
四方八方から矢が飛んでくる。
まさにリアル無双ゲーム(ただし武器なし)。
働き方改革で「自立的に働こう」と言われますが、方向性が決まらないまま責任だけ個人化すると、“永遠に正解のない地獄”が完成します。
リモートが減り、Slackは24時間光り続け、寝ていても脳内が仕事を回し続ける。
結果──
体は休んでも、脳は休めない。
40代が「ずっと疲れている」のは当然です。
3. だからこそ必要なのが『心の免疫力』— 心理的資本という武器

環境の複雑さは止まりません。
会社がすぐ変わるわけでもありません。
ではどうするか?
答えは、
自分の“心の免疫力(心理的資本)”を鍛える。
心理的資本(サイコロジカル・キャピタル)は、人の内側にある4つの力の総称です。
HEROモデル
- Hope(希望):目標と進むルートを描ける力
- Efficacy(自己効力感):自分ならできるという感覚
- Resilience(回復力):失敗から立ち直る力
- Optimism(楽観性):経験を前向きに再解釈する力
これらは「性格」ではなくトレーニングで伸びる筋肉。
実際、28日間のプログラムで20代~60代の日本人でも全項目が10〜15%向上したというデータがあります。
心理的資本が高い人は…
- 業績が高い
- 燃え尽きにくい
- 人間関係が安定
- 迷いすぎない
- 行動が早い
つまり、
複雑な時代で最強の“OS”を持った人。
【独自の見解】40代は “心のOSアップデート” に最適な年代

私が強く感じるのは、40代こそ心理的資本を高める価値が最大だということ。
理由は3つ:
- 経験が多い=再解釈(Optimism)が効く
過去の失敗も“意味づけ”次第で財産になる。 - 責任がある=Hope/Efficacyが伸びやすい
役割が大きい人ほど「目的・達成ルート」を描く力が強化される。 - 環境変化が続く=Resilienceが鍛えられる
40代はキャリアの折返し地点で、柔軟性がもっとも試される。
つまり、
40代は「壊れやすい年代」ではなく「伸びやすい年代」。
ただし、鍛えれば…の話。
まとめ:複雑性社会に勝つのは “強い人” ではなく “整えた人”

いま私たちは、努力不足でも、根性が足りないわけでもなく、ただ 環境が複雑すぎる だけ。
だから必要なのは、“頑張る量”ではなく心の免疫力=心理的資本を高めること。
複雑性に押しつぶされる時代から複雑性を味方につける時代へ。
40代の心は、まだまだ強くなれる。むしろ、今が分岐点です。
あなたの“心のOSアップデート”、今日から始めてみませんか?


