「なんかそのジャケット、ちょっと若すぎない?」
久しぶりの同窓会。あの頃の仲間と再会できる楽しみを胸に、僕は久しぶりにクローゼットの奥から“勝負ジャケット”を引っ張り出してきたんです。
細身のネイビーのテーラードジャケット。20代の頃、セレクトショップで頑張って買ったお気に入りの一着だ。
白のTシャツ、黒スキニーパンツ、そして白のスニーカー。鏡の前では、なかなか悪くないと思い意気揚々と参加したんですけど・・・
でも、会場に着いた瞬間、自分が“浮いている”ことに気づいてしまいました。
なぜなら周りの友人たちは、みんな「今の自分」に似合う服を自然に着こなしていたんです。
あの瞬間の“ズレ”こそが、僕のファッションの転機だったしジャケットコーデを見直すきかっけでした。
過去に縛られたままの「勝負服」
20代当時は「ジャケット=大人っぽくてカッコいい」という印象だったのが40代になっても
その考えが今でも変わらず、僕の中に残っていたんです。
でもそれは、時代も体型も価値観も変わった今、ただの“思い出の服”だったのかもしれない。ということをまざまざと思い知らされた結果でした。
「おしゃれのつもりが、無理してるように見える」
そんな空気が、痛いほど自分にも伝わってきて、同窓会の間ずっといたたまれない気持ちでした。
どこで間違えた?自分のコーデを冷静に振り返る
改めて考えてみると、いくつもの“見直しポイント”があったことが悔やまれます。
- ジャケットのサイズが昔のままで、肩や腰回りがピッチピチ
- インナーのTシャツがヨレ気味で、清潔感に欠けていた
- 黒スキニーと白スニーカーの組み合わせが、妙に若作り
- ジャケットだけが浮いて見えて、全体のバランスが取れていなかった
40代になった自分には、「おしゃれの正解」も、変わっていたことにまず気づいたんです。
- NG例:昔買ったジャケットがピチピチ、もしくはダボっとしているのがいいと思った。
昔の体型と今の体型の違いに気づいてない、もしくは気づきたくなかった。
いまでもこのコーデが全然いけると思い込んでしまった。 - なぜNG?:体型の変化を無視すると、だらしなく見える/古臭い印象になる
ピッチピチだと40代の体型なのに無理に若作りしていると思われることに考えが及ばなかった
ジャケットコーデの8つのルール
この日を境に、僕は少しずつ着こなしを見直すようになりました。
40代メンズのジャケットを含めたコーディネートにはちゃんとしたルールがあるんだということです。
1. サイズ感が合っていない(大きすぎ・小さすぎ)

ピッタリすぎる服をやめて、程よくリラックスしたシルエットになることを知りました。
これだけで、見た目も気持ちも驚くほど“余裕”が生まれることを実感したものです。
ゆとりは「着心地7割・見た目3割」で最適化
- 「ピッタリ=良い」ではなく、「適度な余白がある」ことが大人の余裕につながります。
- 特に40代以降は、動きやすさ+清潔感+余裕のあるフィット感が大切です。
ジャケットのサイズ感における「ゆとり(適度なフィット感)」は、見た目の美しさと着心地の両立において極めて重要です。
✅ ジャケットサイズにおけるゆとりの基本規定
一般的に推奨される「フィットの基準(規定値)」をプロのテーラーやアパレル業界の指標に基づいて詳しく説明します。
部位 | 理想のゆとり量 | 説明と注意点 |
---|---|---|
肩幅 | 肩先から±0cm(0.5cm以内) | 肩の縫い目がぴったり合うのが基本。落ちていたり食い込んでいたらNG。 |
胸囲 (バスト) | 6〜10cm(体に対して) | シャツ+薄手ニットが着られる程度。座った時に窮屈さを感じないゆとりが理想。 |
胴囲(ウエスト) | 4〜8cm(体に対して) | 絞りすぎると窮屈で動きにくくなる。立体感を保つ程度に。 |
袖丈 | シャツの袖が約1cmのぞく(=腕のくるぶしから-1cm) | 腕を下ろした状態で自然にシャツが見える長さ。短すぎ・長すぎは野暮ったく見える。 |
着丈 | お尻が3分の2〜全部隠れる長さ | 横から見て指先にかかるくらいが目安(手のひら中ほどまで)。 |
袖幅 | 二の腕と袖の間に指が1本入る程度 | 筋肉質な人はやや広めでもOKだが、もたつきすぎはNG。 |
腕まわり(可動域) | ジャケットを前に引っ張らずに手が前に出せる | 腕が自然に前に出るかどうかは非常に重要(特に仕事用) |
各部の「試着チェックポイント」
肩で合わせるのが基本中の基本
- 肩が合っていないと、他のサイズを調整しても不自然に見えます。
ボタンを留めた状態で自然に立てるか確認
- 前を留めたとき、胸やお腹にシワが寄る場合はサイズが合っていません。
動いたときの突っ張り感の有無を確認
- 腕を前に出したり、深く座ったときに突っ張るようなら、可動域が狭すぎます。
背中・脇のシワもチェック
- 背中に横ジワが入るのはサイズが小さい証拠。
- 脇にたるみが多いのは大きすぎです。
サイズ表記の見方(例:日本サイズY体・A体・AB体など)
表記 | 特徴 | 体型の目安 |
---|---|---|
Y体 | スリム体型 | 肩幅がありウエスト細め |
A体 | 標準体型 | 一般的なバランス |
AB体 | ややがっちり | 少し胸囲が大きい |
B体 | がっちり体型 | 胸囲が大きくウエストも広め |
2.ジャケットだけが浮いてしまっている
今回の同窓会に出席した際のコーディネート、つまり着あわせにも間違いがあったことを今更ながら気が付きました。
ネイビーのテーラードジャケットに白のTシャツ、黒スキニーパンツ、そして白のスニーカー。
そんなに間違えている取り合わせではなかったと思ったのですが、今思えば実はちぐはぐ感があったようです。
- 間違い:高級なジャケットに対して、ボトムやシューズがカジュアルすぎる。
- 理由:全体の調和が取れず、「頑張ってる感」や「ちぐはぐ感」が出る。

よくある「ジャケットだけが浮く」パターンとは?
- 高級感のあるテーラードジャケットに、ヨレたTシャツや色落ちジーンズを合わせている
- ジャケットはカッチリしているのに、スニーカーやキャップなどカジュアル小物が多すぎる
- ビジネス風のジャケットにカジュアルなチノパン+バックパックなど、テイストがバラバラ
結果として、ジャケットだけが「場違い」「かしこまりすぎ」に見えてしまいます。
✅ 改善策1:ジャケットの“テイスト”に他アイテムを合わせる
- ジャケットが「ビジネス寄り」なら→パンツもスラックス系、シューズもレザー調に統一
- ジャケットが「カジュアル寄り」なら→デニムやスニーカーでもOK、素材感や色を柔らかく
ジャケットタイプ | 合わせるべきアイテム例 |
---|---|
ウールテーラード | ウールスラックス+レザーシューズ+ドレスシャツ or ハイゲージニット |
コットン・リネン | テーパードデニム+キレイめスニーカー+無地T or ポロシャツ |
✅ 改善策2:ジャケットとボトムスの“素材感”を揃える
ジャケットだけが上質すぎると、他が安っぽく見えます。素材の「重さ」「質感」「マット感」を意識してください。
- ウールジャケット+テカリのあるナイロンパンツ
- ツイードジャケット+パリパリのシャカシャカ素材のパンツ
- ツイードジャケット+フランネルパンツ
- コットンジャケット+同系のコットンパンツやチノ
✅ 改善策3:色味とトーンを合わせる
色の「濃淡」や「彩度」が極端にズレているとジャケットだけ目立ちます。
- ジャケットがネイビー → ボトムスはグレー・ベージュ・ホワイト系が相性良
- ジャケットがブラウン → インナーにアイボリーやオリーブなどアースカラーを
✅ 改善策4:ジャケット以外のアイテムに“品”を足す
全体にカジュアルすぎるなら、どこか1点“きれいめ”要素を追加するだけでバランスが取れます。
取り入れるとバランスが整う小物
- 上質なレザースニーカー
- スエードローファー
- シンプルな腕時計
- レザートート or 革のクラッチ
✅改善策5:ジャケットに合わせる「格と調和」が鍵
改善ポイント | 具体的チェック内容 |
---|---|
テイスト調和 | カジュアル or ドレッシーを統一 |
素材の統一 | ジャケットとパンツの質感を合わせる |
色バランス | トーン・明度・彩度のバランスを見る |
小物の格上げ | バッグ・靴・腕時計で全体を締める |
3.スーツの上着を休日に流用しない

そもそもスーツの上着は“セットで着る”ことを前提に作られており、単体での着回しには不向きなんです。
スーツジャケットとカジュアルなジャケットは設計思想も用途も異なるため、代用すると「ちぐはぐな印象」や「古臭さ」「不自然さ」が出てしまいます。
以下に、実例・注意点・改善方法を解説いたします。
❌【NG実例】スーツ上着を休日コーデに流用したケース
ケース1:ビジネス用ネイビースーツの上着+Tシャツ+ジーンズの着回し
- 見た目:ジャケットだけが「かしこまりすぎ」て浮いてしまっている
- 違和感の理由:肩の構築感、光沢あるウール素材、着丈の長さが“ビジネス感”を強調
- 第三者の印象:「仕事帰り?」「若作りしてる?」「バランス悪いな…」などネガティブ
ケース2:グレーのスーツ上着+ポロシャツ+チノパンの着回し
- 見た目:野暮ったく、全体的に「ちぐはぐ」な印象
- 違和感の理由:上だけ「フォーマルすぎ」、下が「カジュアルすぎ」
- 第三者の印象:「サイズ合ってない?」「ジャケットだけ浮いてる」「着回し失敗感」
⚠️ 注意点:スーツジャケットとカジュアルジャケットの5つの違い
項目 | スーツジャケット | カジュアルジャケット(ジャケパン用など) |
---|---|---|
肩構造 | かっちり構築されている | 柔らかいアンコン仕立てが多い |
ラペル | 細めでフォーマル寄り | 太めやパッチポケットなどカジュアル要素あり |
素材 | 上質ウール/シャークスキンなど光沢あり | コットン/リネン/ツイードなど多様で表情あり |
着丈 | やや長め(お尻が完全に隠れる) | 短め(動きやすく、軽快) |
セット感 | パンツと完全にセット | 単体で着ても違和感なし |
✅ おすすめする改善方法は【「休日ジャケット」は専用の1着を用意する】です。
✔ ポイント1:アンコン仕立て(裏地・肩パッドなし)の軽いジャケットを選ぶ
- 例:コットン素材、ウールジャージー、リネン混など
- 着心地が軽く、抜け感があり“休日感”が出やすい
✔ ポイント2:表面感のある素材で“カジュアル感”をプラスする
- ツイード、コーデュロイ、シアサッカーなど
- 適度な凹凸が「スーツっぽさ」を打ち消してくれる
✔ ポイント3:セットアップではない単体ジャケットを選ぶ
- 同色系のパンツに合わせる場合も、素材違いで“ジャケパン感”を演出する
ここで、【改善後の休日コーデ】の例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
▶ 例1:コットンジャケットで“こなれ感”のある休日コーデ
→ 全体に統一感があり、“抜け感”と“品”が共存。公園〜カフェまで対応可能。
- ベージュのコットンジャケット(アンコン)
- 白Tシャツ(厚手・無地)
- ネイビーチノパン(テーパード)
- 白レザースニーカー
▶ 例2:ウールジャージージャケットで“柔らかさと清潔感”
→ 出張や新幹線移動、ちょっとした会食にもOKな万能カジュアルスタイル。
- ダークグレーのジャージージャケット(ストレッチ素材)
- ライトグレーポロシャツ
- ブラックのスラックス風イージーパンツ
- ダークブラウンのローファー
スーツのジャケットは“上下セットで完成”する服だと考えましょう。
- スーツ上着を単体で使うと、素材・構造・雰囲気の違いから不自然さが出やすい
- 休日は、動きやすく、素材感と色使いで遊びの効いた専用ジャケットを用意するのがベスト
- 40代以降は「品のある抜け感」が最も大事。休日でも“ちゃんとしてるのに無理してない”印象を演出しましょう
4.インナーはカジュアルすぎないこと

「インナーがカジュアルすぎる」ことでジャケットコーデが台無しになるケースは非常に多く、特に40代男性にとっては「若作り」「チグハグ」「だらしない」といった印象を与える原因になります。
インナーは「ジャケットの格」に合った“質感ときちんと感”が必要です。
❌ NG例:カジュアルすぎるインナーの実例と問題点
▶ NG例①:ヨレたTシャツ(薄手・襟が伸びている)
- 着用シーン:休日の街歩き
- 見た目:疲れて見える/清潔感がない
- 問題点:襟元のヨレがだらしない印象
ジャケットとのコントラストが強すぎて“部屋着感”
▶ NG例②:派手なプリントTシャツ
- 着用シーン:カフェや友人との会食
- 見た目:若作り感/ミスマッチなカジュアルさ
- 問題点:ジャケットの“きちんと感”と喧嘩して統一感がない
文字やロゴが悪目立ちし、子どもっぽく映る
▶ NG例③:スポーツウェア系インナー(エアリズムなど)
- 着用シーン:ビジネスカジュアル風の外出
- 見た目:肌着感/素材の違和感
- 問題点:吸湿速乾系はツルツル光ってしまい、ジャケットとの素材感が不一致
安っぽく見えやすい
思い当たる着回しはありましたでしょうか
次に改善策の例をお示ししますので参考にしてください。
✅ 改善策:インナー選びの基本ルール
✔ ポイント1:「ジャケットの格」に合わせる
- フォーマル寄りのジャケット → 襟付きシャツ or ハイゲージニット
- カジュアル寄りのジャケット → 厚手の無地Tシャツ or ポロシャツ
✔ ポイント2:無地 or 極力シンプルなデザイン
- 柄は入っても細かいピンストライプや無地風の織り柄まで
- ロゴ・グラフィックは避けるのが無難(ブランド名も小さく)
✔ ポイント3:“質感”にこだわる
- おすすめ素材:
- 天竺コットン(肉厚のもの)
- スーピマコットンやピマコットン(光沢と滑らかさあり)
- ハイゲージウール・コットンニット(肌当たりと保形性◎)
おススメのコーディネート例
◎ 例1:無地Tシャツを使ったきれいめカジュアル→ 清潔感・大人っぽさ・リラックス感が共存
- インナー:白の厚手コットンTシャツ(クルーネック・無地)
- ジャケット:ネイビーのアンコンジャケット
- ボトム:ベージュのテーパードチノ
- シューズ:白レザースニーカー
◎ 例2:シャツをインナーにして程よいきちんと感→ ビジネスカジュアルや少し改まった外出にも対応
- インナー:オックスフォードボタンダウンシャツ(白)
- ジャケット:グレーのウール混ジャケット
- ボトム:ネイビーのスラックス
- シューズ:ローファー
インナーの選び方ひとつで「こなれ感」も「年相応感」も変わります。ぜひ注目して上手にコーディネートしてください。
間違い例 | なぜNG? | 改善策 |
---|---|---|
ヨレた薄手Tシャツ | だらしなく見える | 肉厚でしっかりした無地Tを選ぶ |
派手なプリントT | 若作り感・統一感なし | シンプルで主張しない無地T |
エアリズムなど肌着系 | 安っぽい・光沢が浮く | 天然素材や質感ある生地を選ぶ |
5. “抜け感”と“清潔感”の両立

「抜け感」と「清潔感」は、40代男性のファッションにおいて非常に重要なキーワードです。
特にジャケットスタイルでは、この2つをうまく両立できているかどうかで、「余裕のある大人」か、「だらしない中年」かという印象に大きな差が出ます。
「抜け感」と「清潔感」は、“力を抜いているのに整っている”絶妙なバランスで成り立りたっているのです。
抜け感とは?:あえて“きちんとしすぎない”ことで、リラックスした雰囲気を出すこと。例えばジャケットにTシャツやスニーカーを合わせる、袖まくりをする、などの演出がいい例ですね。
清潔感とは?:これは言うまでもなく身だしなみが整っており、清潔で品がある印象を与えること。
例えば。服のシワがない、サイズが合っている、色使いが上品で落ち着いている など40代メンズなら当たり前の身だしなみといってもいいでしょう。
🔄 両立するコーディネート例
▶ 例1:休日のカフェコーデ→ 「かっちりしすぎない」「でも清潔で大人っぽい」印象に
アイテム | ポイント |
---|---|
ジャケット:ネイビーのアンコンジャケット | 型が柔らかくカジュアル寄り(抜け感) |
インナー:白の厚手無地Tシャツ | シンプルで清潔感あり(清潔感) |
パンツ:ベージュのテーパードチノパン | 明るめカラーで軽快さを出す(抜け感) |
シューズ:白のレザースニーカー | きれいめ素材でカジュアルすぎない(清潔感) |
▶ 例2:平日のビジネスカジュアル→ 仕事でも通用する“こなれたきちんと感”が演出できる
アイテム | ポイント |
---|---|
ジャケット:チャコールグレーのウールジャージー | スーツほど堅くない素材(抜け感) |
インナー:白 or サンドベージュのポロシャツ | 襟付きで品を保つ(清潔感) |
パンツ:グレーのスラックス(センタープレス) | 抜けすぎず、きちんと見せる(清潔感) |
シューズ:ダークブラウンのスエードローファー | レザー素材で上品さも(抜け感+清潔感) |
⚠️ 両立に失敗しがちなNG例とその理由
NGコーデ | なぜダメか |
---|---|
ヨレヨレのTシャツにジャケット | 抜け感ではなく「手抜き感」に見える |
派手な柄シャツ+スニーカー | 子どもっぽく、まとまりがなくなる |
シャカシャカ素材のパンツ+革靴 | アイテムの格と質感がアンバランス |
無造作なヘアスタイル+ノーアイロンの服 | 清潔感が欠けて「生活感」になる |
🎯 両立のための注意点チェックリスト
チェック項目 | 抜け感 | 清潔感 |
---|---|---|
ジャケットの素材は硬すぎないか? | ◎ | - |
インナーはヨレ・透け・汚れがないか? | - | ◎ |
色使いは淡色ベース+1ポイント差し色程度か? | ◎ | ◎ |
パンツにアイロン・センタープレスが効いているか? | - | ◎ |
靴はスニーカーでもレザー素材 or 清潔感があるか? | ◎ | ◎ |
全体の“ゆるさ”が1〜2割に収まっているか? | ◎ | - |
- 「抜け感」だけでは“だらしなさ”に見え、「清潔感」だけでは“堅苦しさ”に寄ってしまいます。
- 重要なのは“どこかにゆとりを残しながら、きちんと見せる”工夫。
- たとえば「アンコンジャケット+Tシャツ+革靴」というように、リラックスした要素と整った要素を交互に取り入れることがコツです。
6.足元がチグハグにならないようにする

ジャケットとのコーディネートにおいて「足元がチグハグ」な場合、全体のバランスが大きく崩れ、“おしゃれ初心者感”や“年齢不相応感”を強く与えてしまいます。
特に40代の男性では、足元にまで意識を向けることで「落ち着き・品・こなれ感」を演出できるため、非常に重要なポイントです。
❌ よくあるNG例とその理由
▶ NG例①:きれいめジャケット+ボリューム感のあるハイテクスニーカー
- 見た目:足元だけがスポーティすぎて浮いてしまう
- 問題点:ジャケットは「大人」なのに靴は「若者」
ランニング用や配色の派手なスニーカーは特に不協和音になりやすい
▶ NG例②:ツイードジャケット+ビーチサンダル
- 見た目:季節感もTPOも合わない
- 問題点:ジャケットが秋冬、足元が真夏の雰囲気
“適当”または“だらしない”印象を与える
▶ NG例③:テーラードジャケット+ゴツいアウトドアブーツ
- 見た目:靴の重さが目立ち、アンバランスに
- 問題点:上半身がスマートなのに、足元が“重くて野暮”
トレッキング用やミリタリーブーツはカジュアル度が高すぎる
⚠️ チグハグになりやすい要因とは?
要因 | 内容 |
---|---|
靴の“素材感”がチープ | キャンバス、樹脂系素材はジャケットと不釣り合い |
“用途の違い”が明確すぎる靴 | スポーツ用、レジャー用、登山用は避ける |
靴が主張しすぎる | 厚底・カラフルすぎる・ごつすぎるものはNG |
シューズとパンツの“色合わせ”が不自然 | 上半身との統一感がなくなる |
✅ 改善策:ジャケットの“品格”と“素材”に合った靴を選ぶ
▶ ① カジュアル寄りのジャケットには「きれいめスニーカー or スエードローファー」
- コットン・リネン素材のジャケット → 白やベージュのレザースニーカー
- カジュアルジャケット → ニュートラルカラーのスリッポン
▶ ② きれいめテーラードジャケットには「革靴 or 端正なレザースニーカー」
- ネイビー・チャコールグレーのウールジャケット → 黒やダークブラウンのローファー/プレーントゥ
- 清潔感を出したい場合 → 白のプレーンクリーナースニーカー(ロゴ少なめ)
▶ ③ 秋冬素材のジャケットには「起毛感のある革靴」
- ツイード・フランネル → スエード素材のチャッカブーツ/Uチップ
- 重さを下半身にも持たせてバランスを取る
👞 コーデ例と改善提案
ジャケットタイプ | NGな足元 | 改善例(おすすめ靴) |
---|---|---|
ネイビーテーラード | 派手色ランニングスニーカー | 黒レザースリッポン、白レザースニーカー |
ツイードジャケット | ビーチサンダル | スエードチャッカブーツ |
コットンジャケット | 登山用ごつめブーツ | ベージュキャンバススリッポン or ローファー |
ジャージージャケット | 派手ロゴ入りスニーカー | 無地のきれいめスニーカー(モノトーン) |
靴は「コーデの完成度」を決定づける重要パーツです。
次のポイントに気を付けて足元のチョイスをお願いします。
- ジャケットと足元の“格”を揃えることが最優先
- 足元だけ浮いてしまうと、全体のバランスが一気に崩れる
- 40代男性は、「落ち着いた素材感」「過剰な主張を抑えたデザイン」が好印象につながる
7. 季節感を意識した素材を選ぶ

「ジャケットと季節感のズレ」は、見た目の印象を大きく損なう原因になります。
40代以上の男性が目指すべきは「落ち着き・品・清潔感」。
季節感を無視した素材選びは、“無頓着”“暑苦しい”“寒そう”というネガティブな印象を与えかねません。
ジャケットは「見た目の季節感」と「体感の快適さ」の両立が必要です。
❌ よくあるNG例とその理由
▶ NG例①:真夏にウール素材のジャケット
- 問題点:見た目に暑苦しく、汗ジミやテカリも目立ちやすい
- 相手の印象:「無理してる」「ちゃんと季節を考えてない」
▶ NG例②:真冬にリネンや薄手コットンのジャケット
- 問題点:寒々しく、素材感が軽すぎて浮いて見える
- 相手の印象:「軽装すぎて頼りない」「TPOが合っていない」
▶ NG例③:梅雨〜初夏にツイード素材
- 問題点:生地が厚く見た目が重たい/湿度でムレやすい
- 相手の印象:「不快そう」「古臭い」「重苦しい」
👀 季節感を出すための素材選びのポイント
季節 | 適した素材 | 特徴 |
---|---|---|
春 | コットン、シアサッカー、ウールトロピカル | 軽やかで通気性がよく、程よい張り感 |
夏 | リネン、コットンリネン、エアウール | 吸湿性が高く、見た目に涼しげ |
秋 | ウールフランネル、サキソニー、モールスキン | 起毛感があり温かみを演出できる |
冬 | ツイード、カシミヤ混ウール、ヘビーウール | 厚手で暖かく、重厚感がある |
✅ 改善策:季節に合った「見た目+着心地」の素材を選ぶ
▶ 春・初夏向けコーデ改善例→ 軽やかで涼しげな印象に
- ジャケット:ライトグレーのコットンジャケット or シアサッカー素材
- インナー:白 or ベージュの鹿の子ポロシャツ
- ボトムス:ベージュのチノ or スラックス
▶ 真夏のコーデ改善例→ 軽やかで涼しげな印象に
- ジャケット:ライトグレーのコットンジャケット or シアサッカー素材
- インナー:白 or ベージュの鹿の子ポロシャツ
- ボトムス:ベージュのチノ or スラックス
▶ 秋冬のコーデ改善例→ 温かみのある“季節感ある素材使い”が好印象に
- ジャケット:ブラウン系のツイードジャケット or チャコールのフランネル
- インナー:ハイゲージタートルネック or シャツ+ウールベスト
- ボトムス:ウール混スラックス or コーデュロイパンツ
📝 季節感ジャケット選びの注意点チェックリスト
チェック項目 | YES/NO判断基準 |
---|---|
ジャケットの素材に通気性 or 保温性があるか? | 表示タグ・商品説明を確認 |
見た目に「季節らしさ(色・質感)」があるか? | 重すぎる/軽すぎる色・厚さになっていないか |
肌に当たって不快にならないか? | 夏→汗でベタつかないか/冬→チクチクしないか |
TPOと気温に合っているか? | イベントや場所の気候を考慮 |
素材選びはまさに「季節の空気をまとう」ことに通じます。
- 素材は“無言の季節感”を伝えるファッションの基本
- 気温だけでなく「見た目の印象」も重視することで、洗練された印象を与えます
- 40代男性は「無理をして見えない素材選び」が好印象の鍵です
8.「きちんとしすぎ」or「崩しすぎ」のバランスを考える
「きちんとしすぎ」または「崩しすぎ」なジャケットコーデは、特に40代男性にとって“無理している印象”や“場違い感”を与えてしまう落とし穴です。
「抜け感」と「品」のバランスが取れていないと、年齢不相応な印象を与えてしまいます。
❌ NG例①:「きちんとしすぎ」のケース

▶ 実例:「きちんとしすぎ」
- ネイビージャケット+白シャツ+黒スラックス+革靴(セットアップのような着こなし)
- ノータイだが全体がスーツ風、休日にこのスタイルでカフェやショッピングへ
▶ なぜNG?
- 休日なのに“仕事感”が強すぎて、周囲から浮く
- 無理にカッチリ見せようとして“堅物”に見える
- 暑苦しく、リラックス感がまったくない
▶ 注意点:
- ジャケットの素材や仕立てがスーツ寄りだと、オフ感が出せない
- 全身が「シャープ・きちんと」に統一されると、TPOとのズレが生じやすい
✅ 改善策①:「抜け感のあるきちんと感」を意識する
▶ 改善コーデ例:→ キレイめな要素を残しながらも、休日らしい軽やかさを演出
- ジャケット:コットンやリネン混などのアンコンジャケット(ネイビーやベージュ)
- インナー:クルーネックの無地Tシャツ or ポロシャツ
- パンツ:テーパードチノ or カジュアルスラックス
- 靴:白レザースニーカーやスエードスリッポン
❌ NG例②:「崩しすぎ」のケース

▶ 実例:「崩しすぎ」
- ジャケット+プリントTシャツ+ダメージジーンズ+スポーツスニーカー
- ジャケット自体もカジュアルだが、他が“ラフすぎて台無し”
▶ なぜNG?
- ジャケットの良さがまったく活かされない
- 「無理に若作りしている」「ちぐはぐで安っぽい」印象を与える
- 清潔感がなく、40代には不適切に見える
▶ 注意点:
- 崩しすぎると“抜け感”ではなく“手抜き感”に変わる
- 「清潔感」や「品格」をどこか一部には残しておくことが大切
✅ 改善策②:「ラフに見える中にも清潔感と質感を」
▶ 改善コーデ例:→ 「気楽だけどだらしなくない」印象に変える
- ジャケット:カジュアル素材(コットン・サッカー地)のもの
- インナー:無地の厚手Tシャツ or ハイゲージニット
- パンツ:細身のダークデニム or スマートなジョガーパンツ
- 靴:レザースニーカーやローファー
🎯 全体の「抜け」と「締め」のバランスがカギ
状態 | NG例の特徴 | 改善のヒント |
---|---|---|
きちんとしすぎ | スーツセット風、全身カッチリ | インナーと靴で抜け感をつくる |
崩しすぎ | プリントT・ダメージジーンズ・派手スニーカー | 清潔感あるシンプルなアイテムを混ぜる |
ちょうど良い | ジャケット+無地T+チノ+レザースニーカー | キレイめ × カジュアルの中間バランス |
✅ 注意点チェックリスト
チェック項目 | YESなら要注意! |
---|---|
全体が同系色かつカッチリしすぎている | → スーツ感が出て休日に不向き |
靴やインナーが“街着”というより“運動着”っぽい | → カジュアルすぎて台無しになる |
「今日の服、浮いてないか?」と自分で感じる | → 抜け感 or 品格のどちらかが欠けている可能性 |
まとめ
同窓会のとき、きちんとしたジャケットを着て行ったのに、なぜか自分だけ少し浮いているような気がして…
「悪くはないはずなのに、何かが違う」――そんな小さな違和感が、頭の中にずっと残っていました。
それから、時間を見つけてはファッションのことを少しずつ調べていって、ようやく気づけたんです。
自分の服装には、“きちんとしすぎ”ていた部分や、“崩しすぎ”ていた部分があったこと。
そして何より、年齢を重ねたからこそ似合うバランスって、ちゃんとあるんだということに。
40代になってからのジャケットスタイルは、若い頃みたいに勢いだけでは通用しません。
でもその代わりに、「無理なく、自分らしく、でもちょっと素敵に見える」、そんな着こなしを手に入れられる年代でもあるんだと思います。
この記事が、かつての自分と同じように「なんかしっくりこないな」と感じている方の、ほんの少しでもヒントになれたならうれしいです。
肩の力を抜いて、“ちょうどいい”ジャケットスタイルを探してみませんか。